役職名/個体名 魔法のお菓子【eatme!】/eatmy
概要
童話「不思議の国のアリス」で主人公アリスの身長を縮めたり伸ばしたりした魔法のお菓子。一説には茸であったり、クッキーであったり、ケーキであったりしたという。
もとはスラヴ地方の戦災孤児であり、小さな教会で幼少期を過ごしていたが戦火の混乱の中で誰も迎えに来ることはなく、当の本人に不自然なほど家族の記憶がなかったためその所在を調べることもできないまま十年の月日が流れる。のち、慈善事業の真似事をしているアジア中部の裕福な男性に引き取られるが、子供を守ったり育てるという事を知らず毎日たくさんの孤児を預かってはきれいに着飾らせてお披露目することだけが楽しみという扱い方をするような人間だった。普段は貿易のため世界中を飛び回っており、ここでも彼は、傷つきも愛されもせずたくさんの見知らぬ子供と共に置き去りにされる日々を送る。
ある日他の子供と共に香港を移動中、時計兎に拉致されるも想定された性別ではなかったため薬の効きが甘く、施術の途中に目を覚まし発狂。以後そこへ籍を置く。アリス舎の存在を知り、尚かつ異能性を持つため晴れて役職の一つを与えられることとなった。ちなみに本名はアム(aum=ヤムヤムというものを食べるときの擬音語の英訳のもじり、引き取られてから付けられた愛称)・シードレス(seadress=海のドレス=波=身よりの無い流れ者の意味、と seedless=種子が無い=不思議の国のアリスの原作にはお菓子がアイシングで文字の書かれたクッキーやメモの貼り付けられた茸ではなく、カットケーキの上にレーズン=種なし葡萄を並べて文字を書いたものが登場しているためそれの暗喩との二つがかけられている。こちらは教会で与えられた名前だが、その由来自体は単に海の近くに居た所を発見されたから、という特に本編に関係ない上にやたら細かい設定がある)。また、文法上「eatme」にならなくてはいけないのだが、これは彼の望む顛末が「わたしを食べて」ではなく「私の持つ能力を持ち去って」であるためだと考えられる。やや破滅主義。
アリス舎幹部の新参。お菓子という名称なだけあって装飾的な様相をしているが、主役(アリス)を食ってしまうような派手な格好はせず食欲をそそるように肌をぴったりと隠した衣服を主に着せられる。厚手のアームカバーやブーツ、裾を処理していないボレロで瓶や包装紙をイメージしているようだ。全体的に短く、サイドの一部のみ伸ばして石を通した白髪が特徴。口調は見た目に似合わず粗雑でやる気の無いように聞こえるアルトボイス。声優を当てるなら○路美さん。あんた、お前、俺などの総称を使うが昔は私口調だった。メンバーの中では一番来歴が浅くほとんど事故のようないきさつで巻き込まれたため店内でも常識人寄りに振る舞いたいと思っており、自分の能力もあって物事を傍観的に見るようつとめている。その為、普段の素っ気なさとは裏腹に客の雰囲気に飲み込まれないよう過度に演技的な喋り方をする事がある。小道具であり、アリス舎としての風景であり、部品であるため店の外に出ることができない。ここだけの話、死因が決まっていたりする。普段はあてがわれた部屋で一日中ぼぉっと過ごしており、寝そべるか座るかしかせず移動はトランプがお姫様抱っこ。着替えは眠っている間にされる事が多く時計兎を除いてスタッフともそこそこ仲は良い様子。
正しい手順を踏むことで幻覚を与えることができ、処置を施された少女に最後の一押しを加えるための能力を持つ。香を焚かれた彼の部屋を訪れたアリス候補は、夢うつつの中自ら彼に口をつけることで心の奥底に潜む願望を視覚として認知し、その影の中に閉じこもって完全に人形としての立場を受け入れてしまう。具体的に言えば、アリス舎内の風景やスタッフの動向を恐れなくなるということになる。また、接触した少女の見る幻覚は彼自身の目にも映るが”少女が自分の偽りの世界の中に確認できる存在”としてしか居ることができない。つまり、少女が幻覚の中に彼を何らかの生き物(小動物が多い)として見ればそれ相応の視界に、まったく範疇に無ければ空気のような不安定な第三者としての視点に立つことになる訳である。手間取らせず芋虫にうまく引き渡すのには欠かせない要因。
のちにある事がきっかけで発覚するが、アリス舎の手にかかっていなくてもかつて「自分を見失う」ことがあった相手に対してはその期間中の記憶を読むことができる。パワー・スキル共にからっきしのため恐らく店の人形達より弱いのでは、と噂されている。
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