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□    SSS
教室の片隅、放置された段ボール箱の陰に身を隠す少女が居た。「いいい今中さんッ おっ追われてるんで匿ってくださいっ」「うわああああ何奴!? と言うか誰に?」「銀さんに」「何したの」「酒の携帯がバレた」「‥‥‥」「や、製菓用なんすけどね」 痛い沈黙の中、静かに教室の後ろ扉が開かれた。 (増長+今中)

どうぞ、と差し出されたのは小さな飴玉。丸い粒からはほのかに花の香りと柔らかな甘さが広がった。目は醒めましたか?と微笑むその人は、暗いお天気なのにとても楽しそうに飴のひとつを口に含む。帰るまでにはこの雨も止む、きっと。きらきら光る空色のつつみ紙を、わたしはそっとポケットに仕舞った。 (夜臼+増長)

「何聴いてるんすか」「本部との連絡。教える訳にはいきません」「音、洩れてます」 驚いた様子で指し示した左耳を押さえた少女は、ややあって降伏のつもりかイヤホンの片方を差し出す。「‥‥今月出た新譜」「良いですよね、あれ」 窓際に二人、一つのプレーヤーを挟んで佇む。始業まで、あと五分。 (増長+今中)

伏せた耳を避け優しく撫でてやる。その指が逡巡し、ついと髪の幾束かを掬う。 「(良い、匂いだ)」 気付かれないよう静かな口付けを落とした瞬間、大きな目がこちらを向き――頬に何かが触れた。 「えへへ‥‥お返し」  ね、と小首を傾げた彼女に、増長は苦笑してまた頭に手を乗せた。 (増長+夜臼)

ほんの手慰みに作ってみただけの玩具。せいぜい気でも惹ければいいと持参したそれのあどけない表情が、こちらを笑っているように見えてささいな欲心が首をもたげた。ただ向かうのではつまらない。余計なことを試すのは信条で、その柔らかな笑顔が見えない背後に歩み寄り隠された左手でカウントダウンを始めた。 (増長+夜臼)

+++
TWITTERに流した小文まとめ。敬称略であちこちからキャラを借りさせて頂いてます。
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□    Copperius
軽い足音が廊下に沿って遠のいていく。
今し方、きつい仕置きを喰らった増長は受けた勢いのままに軽く首を傾け、無気力な苦笑を浮かべたまま頭を掻いた。背の高さが違うこと、かなり相手が動揺していたことなどを含めて叩かれた痛みはそれほど甚大ではない。頬に跡も残らないだろう。スキンシップだと思えば正直、悪くない。しかしまあ、自分よりも相手にアフターフォローが必要になってしまったなと一人ごちて出ていった扉を見やれば、教室の中はこの騒ぎが起こるまでは特に気にもとめていなかったのか、突然の叫び声に驚いて振り返ったのが半数。あ、またこいつ何かしたなと普段の動向を認知しており白い眼を向けるのが少数。取り残されて視線を一身に受けるのは、いつものコートと制服に足された左手のパペット人形だった。デフォルメ化された丸耳の鼠は、呑気に大きな口をぱくつかせて弁護のようにおどけてみせる。
その言い訳を聞くことになったのは、入れ替わりのように先ほど開け放たれた後部の扉から表れた白い人影。外見はよく似ているがれっきとした先輩であり、例によってささいな誤解と騒動を招いてしまった人でもある。あ、真っ直ぐこちらに来ましたね。そうです、小生です。またやらかしました。
「・・・ええと、ゆうちゃんがこっちの教室に来たんだけど」
「はい、尻尾に誘われました。動物の猫でも尻尾をつままれたら怒りますよね」
「寄りによってしっぽか・・・・・」
ふざける気は無いと潔く鼠をひっぺがす。つまらない役目を終えたそれは支えを失って反省するように頭を垂れた。どうやらその悪戯の手口に気付いたのか、思わず先輩も痛い目を見せられた少女に同情するように口を押さえる。
「気持ちは判らなくもないけど、ねぇ」
「度が過ぎましたね。不織布にニードル加工用の羊毛を貼り付けたので、痛い筈は無いだろうと思ったのですが」
そういう問題じゃないかぁと差し込み式の口を開いてわざとらしく中を確かめる。薄い朱の布地は確かに柔らかそうではあるが、刺激そのものに弱いとなれば特に意味を成さない。女の子には優しくなければいけない、虐め抜く覚悟と誠意が無いのなら。いや、あるなら尚のこと。とある教師の言葉は、彼が屋上に引きずられていく前に得意げに呟いていたものだが、参考くらいにしておこう。
警戒させてしまった彼女への対処をあれこれと悩む白衣の後ろ姿、束ねた髪はあの尻尾のように静かに揺れている。
「痛いのとびっくりするのは嫌いだからねー、うーん」
「まあ、不本意とは言え自分のまいた種なので何とかしてきます。可愛い子に嫌われるのも痛いんでね。はっはっは」
もとの通りに人形をはめ直すのを見て何のつもりかと不審がる先輩に軽く手を振って、無責任な言葉を残す。力無い空笑いの最後にかん高く短い笑いを付け足せば、ぎょっとした表情と共にクラスメイトの動きが停止した。野次馬を牽制出来たのは幸いとその間を縫うようにして、増長はふらふらと不機嫌な子猫を探しに教室を出ていった。


***


自分にとっては不気味で得体の知れないそれが、逃げてきたはずの他学年の使用する廊下に居る。よく見えないが忙しそうに手を動かしているのはわかる。人形を持っている本人事態は涼しい顔だが、切り取られた胴体は腕を入れ指を動かして使うという目的を示している、当然あのいたずらをしたのは増長自身。ほんのささいな悪心でも、まるであの表情のない口の大きなおもちゃのように使い手の考えも読めないという恐怖はただでさえ無い彼女の信用をさらに失わせるのに十分だった。何やらポケットを探っていたようだが、顔や頬のあたりを押さえる動作に変わる。やがてぴたりとせわしい仕草をとめてこちらを向いたビーズの眼が自分と合って、悪寒に思わず尾が毛羽立つ。跳ねたそれがややあって内向きに降りてくる。伏せられた耳、敵意というより少しばかり恐怖の感情を持っているであろうその様相には構わず及び腰な少女に近づき、拒絶かもしくは防御のつもりなのかもしれない前方向に引き寄せたまま構えられた手の片方、その指先を静かに人形の口で挟んだ。
「にゃっ、な、なに」
返事はない。最初はほんの僅か、次は飲み込むように第一関節に進む。咀嚼のように器用に進んでいく所作は異様ではあったが布や綿で出来ているということもあって大した拘束力はない。やや力の弱い身であっても振り払うことは可能だったが、目的の見えないアプローチが新しいいたずらなのか、それとも何か意味があるのかが判断できず眼鏡の奥の眠たそうな眼に怯えるようにして、固まったまま子猫は立ちすくんでいた。
「まぁ、ちゃ、う・・・にゃ・・・・・」
感触自体は何の変哲もない布がゆっくりゆっくり皮膚を滑る。手のひらの中程までが口の中に埋まり、最後に数回やんわりとかみしめるような動作を見せて、ようやく件の人形は離れていった。いや、何度か手を食べる動作の時に別の質量が触れた。解放された手のなかには飴玉が一つ。
はっと顔を上げれば、同じ動作でポケットをまさぐり新しいキャンディを取り出して、丁寧に口に含む素振りを見せる愛嬌のある鼠の表情。
「お詫びです」
簡素化された両手で挟むように包装の端を掴ませた姿は手を合わせて懇願するようにも見える。人形の手には余る荷物を再びポケットへ詰め直して、お次は頭を押さえてしょげかえる風貌を表す。
今度こそ役目を終えた人形を取り去って、上着の大きなポケットに無造作に放り込む。ゴムの靴底が捻った反響音と翻る服の裾の揺らめきに軽い靴音が混じって、背を向けた彼女の人形を持っていなかった腕へ控えめに触れた。
「・・・・・・あめ。全部」

意外そうな表情が、安堵と好感の笑みに変わる。
さて、一体いくつで許してもらえるだろう。味をしめたのかパペット伝てに渡そうとすればしがみつくように隠れた瞬間右腕へしっかり爪を立てられ慌ててもう一度仕舞い込む。一緒くたに詰め込まれた色とりどりのセロファンの包みを漁りながら、はちみつ色の球を頬張ってほんの少しだけ機嫌を直した夜臼を連れてコートの姿が階段の奥に消えていった。


+++
今回の目標:出来るだけどうでもいい情報をダラダラ書こう!!
はい、という訳で猫市さんに有難くも書いて頂いたゆうちゃんいたずら大作戦~出来れば蹴りも下さい~の後時系列を作らせて頂きました。どうやってこじれた仲を修復するのかがテーマだったので増長の無駄なアクティブさとクズっぷりを全力で発揮。パペット人形でおててかぷかぷは十六茶のCMが元ネタです。だってあれエロくないですか、やられてる方。読んでてイラッとしたら目論見通りです。何だろうこいつは。どうでも良いけど一度も謝ってねぇこのクズ。
タイトルはまんまです。キャラ化学より三名借りさせて頂きました。かわいい女の子の出てくる話は楽しいですね・・・猫市さん、有難う御座いました!!

ハハッ!
・・・エキセントリックな新入生も居たものだ。
名前を呼ばれてとっさに返事をすれば、自分の後方にはごっちゃりとした風采の女生徒が一人。工具だらけのコートを纏った彼女は、増えるに長いと書いてますながと名乗った。能面のように硬い表情だが、どうやらやたらと緊張しているらしい。
「えっとですね、甘い物お好きだと聞きまして、ご迷惑でなければこちらをと」
髪に隠れているが、頬がほのかに赤い。跳ねた一束の髪の先から、漫画でよく見る白い小さなフキダシとそのなかに猫のような顔文字が映し出された。へぇ、スタンドを持ってるんだ。なんて気を取られていたら差し出されたのは何かの入った紙袋。
「これを・・・私に?」
「うぃ。ブラウニー焼いてみたんす。口に合うといいんすけど」
すいませんっすいきなり、と付け加えて頭を下げた所作がなんとも律儀な後輩然としていて、何だかいかにも青春してるなあと呟きながら突然のプレゼントを有り難く受け取る。ナッツとシナモンの香りを感じてすこし中を開けてみれば、予想に反してかなりの量があった。これ、作るだけでも大変なんじゃないのかなぁ。嬉しいけど。そう尋ねて、


「や、それで二人分っすよ」


手を差し伸べるように示したのは自分の左肩、何もない空間。
不自然なほど勢いよく振り返って、まさかと確認したその行動は返って自らの秘密を暴く行為に等しい。まさか、迂闊だった。
足りますよね?と念を押して問いかける。ゆっくりとねじ曲げるようにして、ギィィと口角が持ち上がっていく。笑っている。いつの間にか先ほどのフキダシは消えて、白い帯のようになってゆるりと解けながら揺らいでいる。まるで結界のように。
最初の挙動はどこへやら、楽しそうな声音に笑みを浮かべて少女・・・増長は丁寧な礼を一つした後に去っていった。
「仲良く食べてください。それじゃあ失礼しゃっすー」
翻した上着の中から聞こえる硬質の音を響かせながらも、樹脂張りの廊下自体には殆ど足音を立てないできびすを返したその姿が黒く、影の中に塗りつぶされていくように見える。それでも彼女を取り巻く白い一筋の光が、次々にそれを撃ち抜いては濃くなっていく。細く伸びた鞭。拡散する濃霧。次第にそれは混ざり合い、途切れ、二つ揃って融け消えるイメージに変わった。
何者なの、何なのこれは、警告?大丈夫、きっとそんな子じゃない。まずい、知られた。第一まだ相手のことを何も知らないのに、いや勘違いだ、ひょっとして猫先生のことを言っているのかも。これは罠なのか、自分の思い違いなのか。相談しなきゃ。誰に?確実に信頼できるのは誰?隠す理由・・・疑ってばかりでも仕方ない、不自然な詮索は己の首を絞める。
きりつめるように息が細れて堪らず壁に手をついた。その壁の白さすら滲んで溢れるように見えて、振り払う。対象のない恐怖を。

知られた。



*****



「・・・・・・・かわいい人だったな」
【 】
「スタンドも凄く格好良い」
【 】
「先を見越してちゃんとお二人分差し上げた。第一印象は悪くない筈だ」
【 】
「・・・吹出しさんよ、僕はキョドっていなかっただろうか」
【(頭を抱える)】
「もうぼっちは嫌だ・・・ぼっちは嫌だ・・・・・」
アズカバン!と元気に表示された字幕を手刀で叩き潰し、重い溜息を吐いた。
独り言にしか聞こえない会話を漏らしながら、重装備の少女が廊下を歩いていく。
段々と声のトーンが下がり、前髪が垂れ下がって出来た陰により今まで光の反射に阻まれ
レンズの下で見えなかった、ドロリと濁る光彩が浮かび上がる。眉間には深く刻まれた皺。
「小生はいつになったらまともにコミュニケーションがとれるんでしょうかね・・・・・」
脚を引きずるようにして教室に消えていく心情を察してか、くすぶりかけの括弧の中に
ぼんやりと【のたうち回りながら】の文字が新たに書き加えられた。

+++
猫市殿お借り致しました。若干チキンな感じになってしまいすいません・・・影さんの存在を隠しているという内容の短編を受けてこんな邂逅話をひとつ立ててみました。影さんに関してはきっと偶然見かけたのではないでしょうかね・・・増長さんのコミュ障空回りっぷりを判りやすく書いてみたらこんな感じに・・・・・正真正銘邪心0%で当たってこのザマです。タイトルがまんま本心だと思います。無駄に話をややこしくする要員だこれ。猫市さんの心労は増すばかり・・・重ね重ねすいません、こんな奴ですが宜しくお願いします。
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