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□    SSS6
手前の男は避けるように身を翻し、その後ろで盾を失った少女が片腕を構えて衝撃に備えようとする。しかし一方の皇は、二人の挙動も構わず自らの武器である白衣の異変に気付いて襟の合わせを軽く引いた。風を含んで揺れる裾は、しかしそのままゆったりと身体に添って纏わりつく。絶対の凶器である、単分子の刃の仕込まれたその切っ先が息を潜めたのだ。 (佐波+増長+皇)

兎に角遠隔的に攻撃出来るものが必要だったのか、咄嗟にパイプ組みのラックに手を掛けるも何かがそこへぶち当たった。異物を感知し漸く発動した白衣は何物かに押さえつけられ、捲れ上がって襲い来るそれを切り裂く。だが斬撃を受けて砕けた黒い塊は虎鋏めいてそのままのスピードで既に拘束されつつあった皇へ襲いかかった。ズタズタの断面が、網のように絡み合うワイヤーが、微々たるものながら動きを封じていく。 ((佐波+)皇)

「ええと、降りかかる火の粉は払わないとこっちも死んでしまうので失礼しましたよ。これ、金属樹の観測とかに使ったんでしょうね。借りちゃいました」 顔を覗かせた少女が袋を見せた。何の役にも立たないスタンドと、身に余る小道具を持っていただけの彼女。「平面上に散布すれば反射率は約98%、銀粉っす。物理的には貧弱ですが科学的にはなかなか頼もしい障壁です。赤外線のセンサーは何とか攻略できましたねぇ」  (増長(+皇))

「・・・軍用鱗粉か」「虫でも破れる薄さですが、爆風でも吹き飛ばない霧状の鏡っすよー」 興味を示すようにその見えない意識体を差して、男が問う。手の中、それから服の内側にも注意しなければ見えない黒い線が走っている。自分の良く知った武器。単体ではゴミのようなそれを、どういう理屈か球状にまとめて繋いでいたらしい。先ほどの動きは、回避ではなく背後への遠距離攻撃ということか。 (佐波+増長+皇)

力を込めれば服と言わず皮膚と言わず細い刃がめり込む。両手のそれを束ねて持ち、一息に手繰り寄せると膝を突いた。が、特に何の反応も示さないまま会釈の後増長はすたすたと扉へ向かう。一度振り返り、心底同情を禁じ得ないと表現出来そうな眼を向けてもう一度 「小生は降りかかる火の粉を払っただけですからね」と囁くと佐波へ軽い敬礼のようなサインをもって礼を述べ、ごゆっくりと呟いて廊下へ消える。窓の外、曇天を背負う見知った生徒の顔が、何故か翳って歪んだような気がした。 (皇+佐波+増長)

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戦闘シーンなんぞ書けるか!!!設定上間違ってるかもしれませんが、そろそろ死にそうなので華を持たせてやりました。佐波さんに感謝。
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